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感情の伝染

 

みなさん,こんにちは。

 

年が明けてから,コロナウィルス感染者が瞬く間に増えていきました。お仕事など大変な状況の方もおられることかと思います。ただ,コロナ禍での過ごし方には,みなさんもう慣れられたのではないでしょうか。

 

私も感染者数の推移に一喜一憂することなく,感染症対策に気を配りながら,それなりに日々を過ごしています。この状況が永遠には続かないことを,誰もが分かってますもんね。

 

さて,感染するのってウィルスや細菌だけではないですよね。感染とは言わないでしょうが,あくびや微笑みなんかも,他人のその様子をみてると不思議と自分もそうなってしまいます。

 

一説によると,大脳の前頭葉にあるミラーニューロンとやらが,他者のそれを感知して取り込んでしまうのだとか。そして,私たちは,他者のイライラやネガティブな感情も,同じメカニズムで取り込んで,ストレスを感じてしまうそうです。

 

家庭や職場,街中でなど,不機嫌に感情をあらわにしている人を見て,不愉快な気持ちになり,自分自身もイライラしてしまったという方も少なくはないでしょう。それをまた別の人が感じ取れば,また伝わっていく。

 

人の気持ちや感情が伝染するということについては,理屈はどうあれ,私たちは経験的にある程度腑に落ちますよね。

 

人の感情はネガティブなものだけではありません。何にしてもネガティブなものがあれば,それを裏返すとポジティブになります。感情が伝染するのであれば,ポジティブな感情も伝染するということになりますね。

 

人のネガティブな感情の態度が「不機嫌」でしたら,ポジティブな感情の態度は「上機嫌」です。フランスの哲学者であったアランは,「上機嫌こそが交換することで増えていく宝」だと述べています。

 

また,アランは「上機嫌の波があなたのまわりに大きくなって,すべてのものを軽くする」とも言っています。これは,私たちが上機嫌でいることで,それが伝わって他者の気持ちをも軽くするということですよね。

 

だけども,「良いこともないのに上機嫌でなんかいられるもんか」という方もおられるかもしれません。

 

はたして,本当に良いことなんて何もないでしょうか。

 

例えば,今日の朝,ちゃんと目が覚めませんでしたか? 自らの脚で歩いて通勤や通学しませんでしたか? 他者と言葉を交わしたりして,感情が動くことがなかったでしょうか?

 

ふざけてるのではありませんよ 笑

 

私たちがそうして「自分」というものを認識し,寒さや暑さ,美味しさや不味さ,悔しさや喜びを感じられるのって当たり前でしょうか。

 

感情が伝染するのも,私たちの根底に共通したものが流れていて,私たちがこうして在ってのことです。そんな私たちが存在している環境を,現代の科学をもってして創れるものでしょうか。

 

そして,私たちが自分だと認識している身体の死は,いつどこでやってくるのか誰にもわかりません。だけども,必ず訪れます。

 

そう考えると,ポジティブであれネガティブであれ,その感情を感じ取れること自体が有り難く思えてこないでしょうか。それが腑に落ちれば,こうして在るだけでいいことばかりです。

 

だけども,人は生活するうちに,どうしても,在ることが当たり前になってしまいます。しかし,在ることの有り難さに立ち返れたならば,できる範囲で「上機嫌」を選択して過ごしてみるのはどうでしょう。

 

ポイントは,「ある」ことに意識を向けていくことでしょうか。家族や友人がある,職場や同僚がある,食べるものや雨風しのげる自宅がある,最終的には,持つ手がある,歩く脚がある,見るための目がある,聞く耳がある,あっ私がこうして在る・・・というふうに。

 

そうして過ごしているうちに,アランが言うように,上機嫌があなたのまわりに広がって,他の人の気持ちを軽くするとともに,あなたそのものを最も軽くするかもしません。

 

ブログを書きながら,私もその基本へ立ち返ろうとしているのですね。

 

最後までブログを読んでくださり,どうもありがとうございます。

 

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