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涙のそのわけ

 

こんにちは。

 

みなさんは,最近,を流したことがありますか? 年を重ねるごとに,そのような機会は減っていくのが一般的なのかもしれませんね。

 

今回は,いい年をしたおじさんが,お酒を飲んで涙したという,本当にどうでもよいような話ではありますが,よろしければどうぞお付き合いください。

 

私は,たまに魚の料理をするんですね。海のそばで魚を食べて育ったので,よく新鮮な魚が食べたくなるんです。その日も,二男が帰省していることもあり,食べさせてもやろうと市場に魚を買いに行きました。

 

そして,定番のお刺身とあら炊き,潮汁を作ったのですが,その日は予定が空いてましたので,昼間から,それをつまみにお酒を飲み始めたわけです。

 

そのうち,妻と二男も同席し一緒に魚料理を食べたのですが,心地よくなった私は,食後に二人をカラオケに誘ったのでした。私の一番の目的は,そこで歌を聴きながらお酒を飲み続けることです 笑

 

カラオケ店の部屋に入った私は,曲選びはそこそこにドリンクメニューに目を通し,クラフトハイボールを注文しました。

 

私も時にマイクを握りながら,妻と二男が,私好みのメロディーの曲や心を刺激するような歌詞,懐かしさを感じる歌などを,次に次にと歌ってくれます。

 

それに連れて,そのお店のクラフトウイスキーが美味しかったこともあり,ロックやジンジャーハイボールなど,私のお酒もどんどん進んでいきました。

 

すると,なぜだか私の涙腺が徐々に緩みだし,眼に少しずつ涙が溜まっていったのです。

 

一説によると,お酒を飲むと脳の前頭前野に機能低下が起こるそうです。前頭前野は感情をコントロールする働きも担っているようですので,お酒の影響で感情が出やすくでもなったのでしょうか。

 

ただの「泣き上戸なおじさん」と言われるとそれまでなのですが,その時の私の感情は,一言では表現し難く,「愛おしさ」「有り難さ」「幸福」といったものを合わせたような感覚でした。そして,その感覚は,日常でもふとした時に感じることがあります。

 

私も一応は父親ですし昭和の男ですので,堪えてはいたのですが,涙は私の細い眼の中には収まりきらずに溢れ出てしまったのです。

 

妻と二男としては,「なんで?」という感じだったのではと思います。しかし,理由を問われることはなく,カラオケは続けられ,私もお酒を飲み続けたのでした。

 

家族関係の違いは家庭の数ほどあるでしょうが,家族は誰にとっても特別な存在かと思います。関係性が近くてそして長く,時間の経過に伴いそれも変化していくため,肯定・否定を問わず,そこには多様な記憶や感情が蓄積され渦巻いています。

 

私自身も,肯定的なものだけではなく,罪悪感や憤りを憶えることもありますし,後悔なども感じてきたことが思い返されます。そして,その中には,何度も繰り返してきたり,強い感情を伴った出来事などで,何かの拍子に容易に蘇るような記憶や感情も含まれています。

 

そして,今後もお互いに,そうした感情のやり取りは続いていくことでしょう。

 

ただ,本来的な私たちの家族への感情は,私がカラオケの部屋で感じたようなものではないかと思うのです。

 

それが,家族それぞれの自我を通して,その自我を守って生きていく中で,時にはすれ違いが生じ,否定的な感情も伴っていく。でも,その底には,いつも,言葉にもできないような,素晴らしい結びつきがあるのです。

 

家族への否定的な感情を抱えて生きていくことは,とても辛く,その人自身へ常に負荷を与えています。カウンセリングは,そこにあるすれ違いを紐解いて整理し,その負荷を可能な限り軽くしていく機会でもあります。

 

家族への否定的な感情も,愛おしさや大切さがあるが故に生じているんじゃないでしょうか。

 

そして,実は誰もが持っている,根底に流れるそうした感情に気づいてもらえたらいいなと思っています。

 

カラオケでお酒を飲み続けた私ですが,その後,酔いが感情を上回ったのか,涙も止まり,終了後は二男に支えられつつ帰宅したのでした。次回,私が家族をカラオケに誘った時には,「行ってもええけど泣かんでよ」と言われることでしょう 笑

 

今回のことも,私の家族それぞれの感情を伴う記憶の一つになっていくのでしょうね。

 

最後までブログを読んでくださり,どうもありがとうございます。

 

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