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二つの死

 

こんにちは。

 

みなさんの中には,これまでに身内の死を経験された方も多くおられるのではないでしょうか。

 

今回は,私の祖母の死について書いて,死について考えてみたいと思います。

 

祖母の死は,私が始めて経験した身内の死でした。

 

当日,午前中より祖母の状態がいよいよだと連絡を受けていましたが,私は「行っても何もしてやれない」という思いから,仕事を終えて午後9時過ぎに祖母のいる病院へ向かいました。

 

祖母は酸素マスクを当ててとても荒い呼吸で,顔は別人のように腫れていました。もちろん意識はありません。

 

私以外の親族はすべて揃っていましたが,これまで頑張ってるのならまだ生きているだとうと解散し,私一人が付き添うことにしたのでした。

 

個室に祖母と私が二人になり,私はなんでもないことを祖母に話しかけていました。そして,数分もすると,祖母の呼吸が徐々に落ち着きだし,そのまま浅くなっていき最後の息をスーッと吐いて逝ったのです。

 

私は,その時に祖母が私を待っていてくれたことを確信したのでした。いま振り返っても,申し訳ない気持ちと感謝の気持ちが強く湧いてきます。

 

祖母は確かに死んでしまい,もう会うことはできません。でも「死」って不思議ではないですか。

 

現在は「脳死」という概念もありますが,「死」の3徴候を医師が確認し死亡を告げられます。しかし,髪の毛や髭は,その後もわずかに生えてきますし,機械のようにすべてが止まってしまう訳ではありません。

 

いずれすべての細胞が機能しなくなり,死亡時刻より24時間を経て火葬されます。その際に体の一部は煙となって宙を舞い,他の物に紛れてしまいます。

 

火葬後の遺骨もすべては収骨されません。砕けた骨やその他の灰は,他の人の骨や灰と一緒になり,自治体の供養堂に納められます。そして,それもいずれは処分され土に帰っていきます。

 

収骨した遺骨も100年単位ではそのまま残るでしょうが,億年単位までそのまま残るとは考えづらいものがあります。

 

何が言いたいかというと,その人とされていた体は,いずれはその他と混ざって異なる物へ生まれ変わり,その生まれ変わった物も,いずれまたそうなるという循環を繰り返しているということです。

 

みなさん,どなたも「私は在る」という感覚がありますよね。それで私たちは生きていることを実感しています。では,その感覚は死亡して体が機能しなくなった時どうなるのでしょう。

 

体と一緒に亡くなってしまうと考えてしまいがちですが,はたしてそうなのでしょうか。

 

ここで一旦,強引ではありますが「私が在る」感覚が残ると考えてみましょう。でも,体は他の物へ置き換わってしまってもうありませんよね。

 

通常,体があるので「○○という名前の私が在る」というふうに私たちは考えていますが,その名前をつけた体はもうないので,ただ「在る」という感覚だけ残っているかもしれません。そう,「私」がなくなるのです。

 

その「在る」という感覚は,もしかすると実はいまと変わりなく,私たちが生きている時に,体とその「在る」という感覚を無意識に同化させているというふうにも考えられます。

 

だって,体はどう考えても私たちの所有物ではなく循環している物質ですので。

 

「ばあちゃん,あの時はどうやった?」と聞いてみたいくらいです 笑

 

ただ,私は,私たちの苦しみの本質は,その私たちの所有物ではない体や思考と私たちが同化しているところにあると考えているんですね。

 

思考も私たち自身が考えていると思いがちですが,よーく観察してみると私たちの思うようには浮かんできません。思考が私たちの所有物でコントロールできるのであれば,心配や後悔は浮かんで来ないようにすればいいですもんね。

 

だいぶ話が逸れてしまいましたが,そのように,私たちが一般的に考えている「死」は,永遠に続いていく循環の,その一部を切り取っているだけなのかもしれません。

 

そうだとしても,やはり関係の深かった人との別れは苦しいくらいに悲しい

 

そんな時には,しっかり涙を流して悲しみましょう。悲しむことが,大切な人と会えなくなった辛さを少しずつ癒やしてくれます。

 

ただ,その別れにおいて,自分を責めるようなことは必要ありません。

 

たとえ自分自身を責めるような思いが湧いてきたとしても,それはあなたの所有しているものではありませんから,「そいう思いがわいてきたんだね」とただそれを認めて赦してあげればいいのです。

 

私の中の祖母も,あれだけ待たせてしまったのにもかかわらず,いつも微笑んで見守ってくれています。

 

最後までブログを読んでくださり,どうもありがとうございます。

 

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