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やり過ごす力

 

みなさん,こんにちは。

 

日々を過ごしていると,いろいろと気になることってありますよね。勉強や仕事のこと,お金,人,健康のこと,などなど。今回はそんなことについて書いてみたいと思います。

 

いろいろと気になる人は,基本的に真面目で几帳面な方が多いのではないでしょうか。人への気配りもしっかりされる方かもしれません。

 

そういう方は,社会にとって必要で助けられる人もいる。なので,気にすることって悪いことじゃない。

 

ただ,何事も程々がよいとはよく言ったもので,気にしすぎてしまうと,そこに苦しみや問題が生じてきます。

 

例えば,生活に支障はないものの,ちょっとした身体の違和感が気になって,受診を繰り返すうちに,複数の病気の診断を受け,それぞれの病院への定期通院と多くの薬を飲まなければならなくなったとか。

 

また,十分な財産を持ちながら,それが減少したり搾取されるのではないかと気になり,セキュリティーを強化したり,更に増やそうと投資した結果,失敗して大幅に財産を減らしてしまったとか。

 

受持の仕事をきちんとやり遂げたいと,それが気になって,事前に毎日夜遅くまで事細かく準備に励んだ結果,当日,体調を崩して通勤できなくなってしまった,というのも一つの例と言えるかもしれません。

 

ですので,気にし過ぎてしまった時に,それをただやり過ごすことって大切だと思うのです。

 

でも,「気にしないようにしなさい」と言われても,思考は勝手に湧いてくるもので,コントロールはできません。そして,気になるもとを辿っていくと,そこには不安があります。

 

それは,「個」である自分が存続しないといけない,ということからくる不安です。「個」の自分を認識していれば,それも当然のこと。

 

私たちは,その不安を解消しようと,自分の外にあるものをコントロールしようとします。先ほどの例で言えば,受診を繰り返したり,投資をしたり,夜遅くまで仕事をしたりすることですね。

 

不安をベースとした行動って,その不安を抱いた方向へ現実を導いていくもの。それは,前々回の いやな予感 というブログにも書いたとおりです。

 

では,どうしても気になって,そこに苦しみを伴う時に,どうやってやり過ごせばよいのか。

 

一つの提案として,その気になることと「個」の自分の存続との繋がりを見つめてみてはいかがでしょう。自分の外側ではなく,内側へ目を向けるということです。

 

先ほどの例でいくとこんな感じでしょうか。

 

身体の違和感 ⇒ 病気になったらどうしよう ⇒ 重篤な病気かもしれない ⇒ 自分の身体が病気に冒される ⇒ 死んでしまう ⇒ 自分が存在できなくなる

 

お金がなくなるかも ⇒ お金がないと家賃も払えないし物も買えない ⇒ ゆくゆくは生活ができなくなる ⇒ 野垂れ死なないといけない ⇒ 自分が存在できなくなる

 

仕事でミスするかも ⇒ 職場で必要とされなくなる ⇒ 失業してしまう ⇒ 社会から取り残される ⇒ 社会から必要とされず生活できなくなれば,食べていけなくなる ⇒ 自分が存在できなくなる

 

このような恐れは,程度の差はあれ,どんな社会的に成功者と言われる人であっても感じることでしょう。いくら満たされているようでも,今度はそれを失ったらという恐れが出てくるもの。

 

これは,「個」という自分があることを前提とすると,仕方のない恐れなのではないでしょうか。そういうものなのだから,そうした不安や恐れが出てくることを認めてあげてよいと思うのです。

 

不安や恐れを見つめ認めてあげると,それは徐々に落ち着いていきます。すると,行動に起こさずとも,「まあいいか」とその場をやり過ごすことができるかもしれません。そして,いずれ何事もなく過ぎ去っていくことでしょう。

 

仏教では,気にし過ぎることは,それにとらわれていることから「執着」と言います。そして,自分にとらわれる心は「我執(がしゅう)」と言い,自分には実態がないとしています。自分だと思っている身体も,よくよく見ていくと,この世の永遠の循環の中で,一時的にそのように現れているものですよと。

 

以前の どこまでが自分なの? というブログに,同じような内容で書いていますので,よろしければ読んでみてください。

 

本来的には,私たちは繋がっていて既に受け入れられている存在。自分の人生を全面的に信頼していいのです。

 

だけども,確かに「個」とした自分としての認識がある。だったら,それはそれで,そこからくる不安や恐れを認識して認めてみてあげましょうというお話でした。

 

最後までブログを読んでくださり,どうもありがとうございます。

 

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