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怒り

 

みなさん,こんにちは。

 

先日,某所にてアンガーマネジメントについてお話しましたので,今回は『怒り』について書いてみたいと思います。

 

今回取り上げるのは,基本的に理不尽なことに対する怒りです。

 

ではさっそく,怒りはどんな時に湧いてくるかみてみましょう。

 

例えば,あなたが見晴しのいい岸壁を散歩していたとします。すると,後ろを歩いてる人が,追い越し際につまづいて,あなたを岸壁側にドンッて突いてしまったらどうでしょうか。

 

わざとではないにしろ,「おいっ,危なっ,気をつけてよ」って,とっさに怒りを感じてしまいますよね。それは,身に危険を感じてしまったから。

 

また,この場合はいかがでしょうか。あなたにいわれのないミスを,勘違いされてわざわざ大勢の前で指摘されたら。

 

即座に,自分が原因でない根拠を示せればいいですが,いずれにしても,面前で公表されたことに,後からふつふつと怒りが湧いてくるのではないでしょうか。

 

みんなに能力が低いと思われてしまっては,立場が揺らいでしまいますもんね。

 

そのように,怒りは自身の身体や立場が危機にさらされた時に湧いてくる。

 

私たちは,無意識のうちに,周りの状況が自分にとって安全か否かを感じ取って判断し,その安全かどうかの基準は人それぞれで異なるんですね。

 

怒りをバネにモチベーションとして,頑張れればいいのですが,上手に処理できないと,関係のないところで,八つ当たりしてしまったり,ひいては自分自身へ矛先を向けることにもなってしまいます。

 

では,逆に,筋合いなくイライラした態度や不機嫌な言動で接してこられた場合はどうでしょう。

 

感情は伝播する性質がありますし,他者から向けられた怒りにより,自分の安全基準が刺激されて,ついついこちらも感情的になってしまいがちです。

 

でも,基本的に他者からの理不尽な怒りは,受け取らなくていいんですね。なぜなら,その怒りは,その人の安全基準やフィルターを通して作り上げられたものだから。

 

それについては すべては自分の中に というブログにも詳しく書いていますので,よろしければ読んでみてください。

 

同様に,自分が感じている怒りのもとは自分の外ではなく内にあります

 

先ほど,人それぞれに安全基準があることについて書きました。それが基準値を超えてしまうと,私たちの中に怒りの感情が湧いてくる。

 

安全基準を自分自身で感じ取るのは難しいですが,自身で認識できることとして,私たちの価値観や信条といったものがそこにつながっています。

 

価値観や信条は,私たちが生きる糧になっているもの。それに反することが出てきたり,押しつけられたりすると,フツフツとした感情が私たちの中に湧いてくる。

 

生きるために大切にしていることを否定されると,心理的に自分の立場が脅かされますから,怒りの感情と共に,鼓動が早くなったりして,それに対峙する体制を身体は整えるんですね。

 

そして,それが時には,怒りの表現として表出してしまう。

 

そのように考えてみると,価値観や信条を持って生きることは大切なことですが,不要な怒りを抱かないようにするには,そこにある多様性を認識する必要がありそうです。

 

端的に言うと,価値観は人それぞれであることを受け入れるということ。

 

価値観が狭まってくると「〇〇でなければ」「〇〇すべき」となってきてしまい,それは,私たち自身の生き方をも狭くし,生きづらくしてしまいます。

 

だけど,「自分が大切にしているから信条なのであって,それを簡単には曲げられないよ!」と思うかもしれません。

 

そんな時は,私たちが完全に分離した個人ではないことを,いま一度思い返してみましょう。

 

こんなことを言っている最中も,自然の草花がいつの間にか,種を落とし,そこから芽を出して花をつけるように,私たちの身体は自動的に新陳代謝を繰り返して,いらないものは外に排出し,必要な物を外より取り込んで入れ替わっていっています。

 

私たちは,通常,無意識に行っている呼吸を通しても,常に外とつながっている

 

身体をもってしても,私たちは,完全に個人として分離なんかしていないんですね。

 

つながっている私たちに優劣はなく,一時的にあるように見えてるだけで,それも常に動き移り変わっていっている

 

そんなことを考えているうちに,完全に分離した個人の境界はふやけていきます。

 

大切にしている価値観も,その他の価値観が存在してくれていて,その比較の中で大切に思えているわけですし。

 

他者の大切にしているものとも,私たちはけっして無関係ではないんですね。

 

最後までブログを読んでくださり,どうもありがとうございます。

 

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