みなさん,こんにちは。
私たちは,社会生活を送る中で,ほとんどの方が何かしらの役割を担って過ごしています。
家族の中での立場もそうですし,職場での役職や資格,友人関係や居住地域での立場なんかもあるでしょう。
あるポストに就きたい思いがあったり,結婚して妻や夫になりたいといった希望を抱いている方もおられるかもしれません。
私は,人が仕事上の役割を担った際に,その役割の持つ使命を一生懸命に果たそうと,自身を鼓舞して奮闘する方と,逆に,その役割のもつ特権のようなものに甘んじて自分に取り入れてしまう方があるように感じています。
もちろん,単純にそのような二通りに分けられるものではなく,これはどちらがいいというお話ではありません。
役割の持つ使命を果たそうと鼓舞する方の組織やその周りでは,水路に設置された水車がよく回り,その先の水路や田へ水が行き届くように,情報共有やコミュニケーションが図られ,社会的に好ましい状況が生じてくるでしょう。
ただ,役割を担った方に本来ある価値観と,役割の持つ価値が合っていて,その方のマンパワーで担える仕事内容であればいいのですが,そうでない場合には,役割を担った方自身に不具合が生じてしまうことも考えられます。
多くは適切に役割が果たされ,問題なく事は進んでいくのでしょうが,不具合が生じてしまう場合,その要因の一つとして「役割を掴んでしまっている」ということがあるかもしれません。
私たちは,一度担った役割を自身から取り去るとなると,多くの場合不安に見舞われます。それは,いま就いている仕事を辞めてしまうことをイメージしてみると分かりやすいでしょう。
では,どうして不安を感じるのか。
私たちは,自分というイメージの多くをその役割だと思い込んでいます。なので,その役割を取り去るとなると,自分の存在意義が薄らぎ,ひいては個として存在する自分が生き残れないという感覚に陥るからです。
しかし,これまでのブログにも書いてきましたが,この世の物ごとは相対的で常に移り変わっていっています。永久的に担う役割なんてものはありません。
役割には本質的に実態はなく,そこには,取り決められたルールや人々にある程度共通したイメージがあるだけなのです。
ですので,担った役割にどこかしら違和感を覚えたり,不具合が生じてしまうような場合,役割を掴んでしまっているその手を少し緩めてもよいのかもしれません。
役割を掴んでいるという意味あいは,その役割のイメージを自身の中で固めてしまっていて,「こういう使命を果たさなくてはならない」とか「この仕事内容はその役割でするべきだ」としてしまっているようなことです。
ルールとして定められていれば別ですが,役割の担う内容の多くは明確に分かれてはおらず,その他のことと交わりつながっているはずです。そのやるべきとされているその内容は,本当にその担った役割だけでやらないといけないのか。
もしかすると,他の役割と一緒に行ったり,それが得意な方へ代わりにやってもらってもよいかもしれない。そもそも,そこまで行う必要もないかもしれません。
また,その役割の担うとされる使命に,どこまで自身を鼓舞して近づけないといけないのでしょう。逆に,自身の持つよい部分へ,その使命を重ね合わせることで,より好ましいものが生じるかもしれない。
あなたはそのままでよいはずなので,あなたの価値観やペースを第一としてその役割を担っていけばよいということです。
そして,そのポイントは自分を活かしつつも自分を立てないことでしょうか。
自身の価値観や得意とすることに合うので無理なくできて,かつ,他の人にも役立つことってきっとあるはずです。そういったことを役割の中で活かしていく。ただ,あまり自分にこだわらず,立場が良くなったり悪くなったりといったことを気にし過ぎないこと。
慣習的に行われているものを,そのまま役割とするのではなく,自身の感覚を大切にする。そこに起きてくる変化は,周りから肯定的にも否定呈にも捉えられるでしょうが,事がきちっと回っていれば,そんな評価は気にし過ぎなくても大丈夫です。
また,自分を活かせる方法が他にあるのであれば,その役割のある組織や分野にこだわる必要もないかもしれません。現在いる組織や分野にどっぷり浸かっているとしたら,少しそこから顔を出して外を眺めてみてもよいかもしれませんよ。
他にあなたが求められ活かされる組織や分野があったり,また,自身で何かを立ち上げ積み上げていくことだってあるかもしれない。
いずれにしても,今ある役割はいずれ必ず手放すことになります。そこに違和感や苦しみを伴うようでしたら,その役割を掴みすぎて自分を後回しにしていないか少し振り返ってみませんか。
役割に対して,モヤッとした不一致感や不安を抱いているのが本来のあなたではありません。まずは,心を静めてその湧いてくる思いをそのまま眺めてみましょう。
最後までブログを読んでくださり,どうもありがとうございます。